2013年4月11日木曜日

人口爆発という現象の意味

日本の人口推移をふり返ると、
室町-安土桃山時代は人口1000万人強でした。
江戸時代になり、
1600年ごろから百数十年の間で一気に3000万人を超えます。

明治になるとまた爆発し、
1910年頃には5000万人を突破。
1967年には1億人を突破。
2008年には1億2808万人のピークを迎え、減少に転じます。
(参考文献:『Newton 2012/06 まもなくやってくる100億人時代』)

下の図を観て下さい。

国立社会保障・人口問題研究所より
ネットで手に入る生産年齢人口に関するグラフの中で、これがもっとも分かりやすい。

そもそも生産年齢人口とは何か。
なぜそれが社会を考える上で重要なのか。

これについては、
僕が途中で投げ出した過去記事「現代社会の考察② 生産年齢人口の推移
を少し参考にして下さい。すいません(笑)


手元にあるニュートンの記事と、上記の図を見て思うのは、

ここ100年の日本は、日本史上類を見ないほど、
働く人口が高い割合のまま劇的に増加したということです。
お爺さんの、お爺さんの、お爺さんくらいまで遡らないと、
人口拡大局面の社会しか知らないんです。

国民年金と国民医療保険の制度発足は1960年前後からです。

財政収支の均衡の原則を捨てて、
赤字国債の発行に踏み切ったのが1974年からです。

いかにお気楽で恵まれた時期に始まったかが分かりますよね。


生産年齢人口が折り返して十数年たっただけで、
プライマリーバランス黒字化(利息だけでも返せる状態)、
消費税20%と、あたふた騒いでいるわけですが、

そもそもの前提の前提の前提から、
成り立つ条件が変わってしまったのではないでしょうか。

それが人口爆発とその終焉です。


我々の社会にとって、
生産年齢人口の拡大は極めて重要な意味を持っていたんですね。


近代的な政治・経済システムを備えた国家のなかで、

人口減少社会を経験した国はおそらくありません。




日本はこのまま減少していくとして、
世界ではどうかというと、
まだまだ伸び続けます。

それでも、いずれは限界に達して、
おそらく100億人までだろうと言われています。



このあたりの説明は、
TEDのハンス・ロスリング 「宗教と赤ちゃん」をご参考下さい。



本当にTEDというプレゼンサイトは素晴らしいです。 

はっきり言って、
このような高品質の無料コンテンツが溢れるネットに、
さらに理解を深める書籍があれば、
大学に通う必要があるのかとすら思える時代がここ数年で始まっているんです。

世界の教育環境の格差がなくなっていったら・・・
あと十数年であろうと思いますが、一体どうなるでしょうか。



話を戻します。



さてこの人口爆発という現象は、

人類にとって何を意味しているのでしょうか。



まだ僕にはわかりません。

すぐに答えが出るものではありません。



しかし確実に言えることは、

日本も米国も、世界も、

たった200年の間で起こった、10億人から70億人への未曾有の人口爆発を土台にして、

国家・政治・経済の世界観を創ってきたということです。



先の年金・医療保険の制度は一例です。

不兌換紙幣と資本主義ですら、その例にあたる可能性があると僕は考えています。

人口爆発とは、
不兌換紙幣と財政不均衡とドル基軸通貨を可能にし、
資本主義システムを支え続けた最大の要因であると思うのですが、
この辺りの分析は、今後ブログで書いていきたいと思います。

この事態は46億年の地球史においても未曾有の出来ごとなのですが、
私たちの時間感覚はたかだが数十年と短いので、
これが当たり前だいう認識なんです。



人口爆発が終焉し、人口減少に転ずるとき、
いったい何が起きるでしょうか。



現代の国家、経済、社会の常識が、
根底から崩れさっていく気がしています。

戦前と戦後、昭和、平成・・・
私たちの記憶にある限りでも、
確かに常識は大きく変遷していきました。


しかし、
もっと根本からの変化が起きるのだと思います。


それは、人間として、生命として、
人間観と世界観が普遍的であるか否かを、
強烈に問いかけてくる変化なのだと思います。



私たちは、執着を捨てて、

真に普遍性のある道の上に、

人生と社会を形成し直すことできるのか。


執着を捨てられず、

真実を隠す個人、組織、国家は、

存続不可能になっていく。


そんな予感がしています。





ある支配的な価値観が時代を象り、

その価値観の拡大が終わったあとに、

人間の真価が問われる。



歴史は常にそうだったのではないでしょうか。


その繰り返しだったのではないでしょうか。




支配的価値が崩れていく中で、

人は苦悩し、

真理を求め、

存在へ立ち返り、

真実を自らの内に見出し、

誇り高き精神で分かち合って、

現実を創りだす。




この人間という生命のプロセスを、

時空を超えて「意識」をつなぐことによって、

加速させているのがインターネットです。



ネットによって、人間現象の流れに革命が起きています。



物事は、

役割と役割という仮面の関係性で流れ、生じるものから、

人格と人格という真実の人間関係で流れ、創造的に生じさせるものへ。




国民と国家という観念が支配的だった時代は終わり、
今世界に広がっているのはお金という観念です。

しかし、

もっともっと大きくみてみると、

地球における人類史は、

人間という生命体を拡大してきたわけです。



今世紀中に、

おそらく数十年後には、

人間そのものの拡大が終わることになります。




そのとき、

人間という存在の真価が問われることになるのではないでしょうか。




人類の総決算として

人間の繁栄と存在の意味を問うこと


それが、
人口爆発という現象とその終焉によって完成する意味なのだと思います。




人口爆発の終焉は、今日本で起きています。


日本が世界に先駆けてこの問題と向き合うことになります。


だからこそ、

日本が次世代の社会のリーダーになりうるんです。



これからの新しい時代を生きることに、

それを創ることに、

とても大きな意義を感じずにはいられません。

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