2015年10月2日金曜日

他者の生き方をリスペクトしているから本気で対話したくなる。

村上春樹のような自由な精神の職人的作家が好きだし、
岡本太郎のような全人間的に闘う芸術家も好きだし、
二宮金次郎のような社会を根本から再生するリーダーも好きだ。

自分の心にはいろいろな生き方のロールモデルがある。

一方で、そういう畏敬の念を抱くような凄い生き方ばかりではなく、もっと気楽な考え方を実践する人も好きだ。社会の構造的な暴力性から出来るだけ距離を置いて、ただ人間として健全な日々を過ごしたい。素朴な願いを大切にして、自分に正直になって自然体で生きようとする人たちに、私は好感を抱いている。

さらに言うと、私の両親も妻の両親も、日本の政治経済と社会常識を重んじながら(おそらく矛盾も感じながら)、愛する家族を守るために相当な努力してきた。本当に忍耐してきた人達だ。私たち夫婦は、保守的に誠実さを積み重ねてきた親の生き方の恩恵を、十分に受けてきている。他者の物語を重んじることで、人間社会に誠実であろうとし、自分の誇りと大切な家族の尊厳を守ろうとした。私たちの親は、私たちの親なりに、与えられた時代を精一杯に背負ってくぐり抜けてくれたのだと感謝している。そういう大人たちの生きた重みに敬意を覚えるようになってから、私は微笑みながら胸を張って人間を信頼できるようになった。

いろんな人達の生き方をリスペクトしているから、自分の真実を語りたい。自分の真実で受けとめたい。自分の生き方を表現して、相手が誰であろうとぶつかることを怖れず、この時代と対等に対話したいと思っている。

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